映画『カティの幸せ』のDVD(写真左)は、今回楽しみにしていたことのひとつ。
原作の童話が何か国語かに翻訳されてヒットし
ちょうど1年前に映画化された作品で、作者はアピシット首相のお姉さまにあたる。
実は福岡でも上映されたのだけど、まだ引越して来る前のことだった。
タイ人のSさんが買っておいてくれたものを、帰国してからPCで自宅観賞する。
タイ語が聞き取れないので、原書の日本語訳(写真右)を読み直してからいざ再生。
まず映像がとてもきれいだった。
アユタヤの水辺の家や農村、海辺の家、バンコクのアパートやルンピニ公園まで
緑と水と宗教性の豊かな風景がまぶたに刻まれる。
主人公の女の子・カティは、悲しい事実に直面しながらも、まわりの人の愛情に
支えられ、大人と子どもの間を行きつ戻りつして、幸せの方に歩み寄っていく。
9歳の女の子の視点で進むためか、テイストはさわやかでハートウォーミング。
原作でも物語は淡々と進むが、映画の方はさらに場面場面の明暗に乏しいので
近年のはでな展開の日本のドラマに慣れている人には物足りないかもしれない。
普遍的なテーマが伝わってくる一方で、私もどこか淡白な印象をもった。
もしかしたらタイ人の方が、さり気ない場面や会話からさまざまなニュアンスを
感じ取って、ひとつの物語として完成させる能力に長けているのかも
と思ったり、タイとタイ人を理解しようとするのは、改めてむずかしい〜。
特に幸せや悲しみの捉え方、それらとのつき合い方など、私にはまだまだだ。
タイ的見どころはたくさんあって、その意味では退屈しない。
個人的に新鮮だったのは、良い暮らしをする人たちの、料理や食事の風景。
屋台でなくても、卵焼きを作る時に超大量の油を使うんだ〜!(@@) とか
家でもお行儀よく食べる人たちは、肘をついたりしないんだな、とか
9歳の子どもたちが3段重ねのお弁当〜??(スカスカに入ってたけど) とか・・・
主人公役のプローイちゃんは、セリフは少なめながらしっかりとカティを演じていた。
映画『チョコレート・ファイター』で主人公の子役を演じていた時とは
また違う感じで、何ともかわいらしかった。短い前髪もキュート!