Sさんのいとこが出勤前に朝食を作りに来てくれた。そしてSさんの友だちも出勤前に、バス停まで車で送ってくれた。これほど何から何まで至れりつくせりにしてもらえる旅なんて、生涯ないだろうなぁ。
さて、その日の宿のナコンパノムまでは、路線バスを1回乗り換えて行くことになる。当然ひとりで行くつもりでいたが、Sさんと大学生のTちゃんが付いてきた。短い実家滞在なんだからいいよ、と言うのに、自分たちも旅行がしてみたい、と。
途中、乗り換えのパンコーンというところで、もう大丈夫だからとふたりにお礼を言ったら、やっぱりナコンパノムまで行きたいと、3人分の乗車券を買ってしまう。
しかしそこから乗ったバスが大変だった。混んでいて座席はないし、暑いのでカーテンを閉め切って展望もない、大勢乗車しているため、エアコンの効きが悪い。
やっぱりバスの旅は体力戦じゃー! と覚悟を決めていたら、次のバス停でたくさんの人が降り、なんとか座れて、ふぅ〜。
この時期というかこの路線、旅行者よりも、新年の休暇で帰省する人が多いようだ。普段バスに乗り慣れていない人もいるらしく、車酔いする人続出。バスの旅はなにかと大変だ。
家を8時過ぎに出て、バス停でバスに乗ったのが8時45分。乗り換えを含めても、正午には着くかなと思ったのは甘かった。サコンナコンを経由し(三角形の2辺を行ったことになる)、ナコンパノムへは2時過ぎに到着。
バスの中で3人で、ソムタム・ガイヤーンが食べた〜い! と言ってたのに、時間のせいかありつけず…。オープンしていたレストランの食事がおいしくなくて、がっかりするが、そこは女の子(私以外)。巨大なパフェを食べて元気を取り戻した。
せっかくのナコンパノムなので、ちょっと歩いてメコン川を見にいく。対岸のラオスにはゴツゴツした山並みが。
そして慌ててふたたびバス・ターミナルへ。彼女たちはこれからまた5時間のバス旅だ…。ごめんね〜。
私がひとりで旅行すると知った時の、Sさん一族の心配してくれようといったらなかった。愉快な人たちなので、直接私には「じゃあ私が一緒にいこう、でも旅慣れてないから、全部世話してもらわないとだめなのよ」などと笑わせてくれたけど…。
タイ人的には、何はともあれ、旅行中にしゃべる相手がいないという事態に絶望を感じるのだろう。そんな様子はちょっとおかしくて笑いそうになるけど、確かにひとり旅のリスクはなくはない。
いい歳した大人の気ままな旅行を心配してもらうのは本意じゃないので、今後はタイ人にはひとりで行動することは黙ってよう、と思うのだった。