気候の良いうちにと、カオ・ヤイ国立公園を再訪した。今日の相棒はタイ人のSさん。タイ人にしては珍しく、歩くのが好きだと言うので、半信半疑で一緒に行ってみたのだが、なかなかどうして、立派な歩きっぷりを見せてくれた。
前回、夫と2人でのトレッキングでは、ケモノの気配を感じて恐ろしい思いをしたので、今日はガイドさんに同行してもらう。この国立公園について、このあたりの森について、1本1本の木について、生息する動物について、いろいろ説明してくれているようなのだが、そんなむずかしいタイ語は私にはさっぱりわからない。
Sさんも「説明できません」というタイ語を最後に、私にガイドさんの言葉を伝えるのをあきらめてしまった。確かに、木の名前やら、生態たらを通訳するのは簡単ではなさそうだ。
それにしても、熱帯雨林の木というのは途方もなく育つようだ。東南アジアでよく見かける、幹の下の部分が幾重にも折り重なった木は人間の頭のずっと上で幹が円柱状にまとまり、さらにはるか上の方まで伸びている。
1本の木に別の木が覆い被さるようにして、そのまま育っていたり(なかには内側の木が死んでしまっているものもあったが)、1本の木に別の木がからまっていたりするのもある。
立て札に「シナモンの木」と書いてあったのは、どこにでもありそうな巨木。幹を少し削ろ取って鼻に近づけると、とってもいい香りがする。シナモン・スティックの香りというより、「木」の香りが濃厚だ。シナモンがこんな巨木だったなんて、ちっとも知らなかったし、お腹をこわした時の薬として用いられるというのも、今日初めて聞いた。
ほかにも、野生のシカ、サル、リス、鳥や、木の上の方に作られたサルの住みか、クマが木に登るために爪を立てて傷つけた幹、昨晩ブタがえさを求めて土を掘った跡(思わずトリュフを探してしまう)、ゾウやシカのフンなどを見ることができて、楽しいトレッキングだった。
歩き終えてから、車で「Haew Suwat」という滝を見に行く。車道の一番奥まったところにあるこの滝は、映画『The Beach』に出てくる滝として、かなり有名なところだ。土曜日ということもあり、大勢のタイ人でにぎわっていた。
今回は標高700〜900mほどのところを歩いてみて、バンコクより涼しいとはいえ、半袖で十分な気候だ(歩かなければ、長袖が必要)。タイ人には快適な気候だろうけれど、日本の超快適な山の風を知る身には、ちょっと暑めかな、というところ。でも1月までは同じような気候が続くとのことで、日本人は11、12、1月の3か月間は、まあまあ楽にトレッキングできそうだ。
帰りに入ったステーキハウスで、チキンを頼んだら(タイの牛肉はいまひとつなので…)出てきたのがこれ。600円くらいで鶏まるごと1匹も出してくれなくても良いよ〜(>_<)