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『未帰還兵 六二年目の証言』

 バンコク時代の知人に誘っていただき、映画『花と兵隊』を再度ホイホイと観にいく。

 前回、話の背景を私自身いまいち理解していなかったような気がして、読んでみた1冊。


 『未帰還兵 六二年目の証言』_c0161046_2044492.jpg 今まで読んだタイを舞台とした本のなかで、もっとも重たい本だった。

 津波関係の書も重い内容だったけど、自然災害とちがって戦争となると、因果関係について思い巡らさざるを得ないからかもしれない。

 そして60年以上の年月の重み…。

 未帰還兵の終戦からタイにとどまることになるまでの何年かを文字で追ってみて、ようやく離隊の具体的なイメージが湧いてきた。

 実は映画と本書では、登場する3人の未帰還兵が重複していて、映画では説明しきれない各自の生い立ちや事情なども知ることができた。

 本全体のテーマについて述べる技量がないので、あとがきから抜粋させていただく。

 著者にこの取材をすすめ、後押ししながら若くして急逝した林均氏(フリーペーパーのボイス・メール元発行人)の言葉だ。

 「タイはサバイサバイ(快適、気持いい)だけじゃない。日本人はタイが日本にいかに関わってきたか、だれも知ろうとしない。敗走してきた日本兵がどれだけタイ人や山岳民族に救われたか。 ー略ー 感謝してもし足りません。 ー略ー 未帰還兵と日本兵の遺品の存在は、日泰の両国民が知らなければならない真実です」

 むずかしい内容が詰まっていてまだ消化不良だけど、この本に出会えてよかった。
by chicorycafe | 2009-09-11 01:07 | ◆本 〜 タイ