
これはまたマニアックな本が出版されたものだ。
そしてタイのおもしろさは、やっぱり町の人々にあるなぁ、と再確認した。
クモの巣のごとく複雑にバンコクを走るバス路線のなかから、8路線を紹介し、それぞれの地域や、そこに暮らす人々の様子が、心地よい温度で語られている。
ところどころでさりげなく、タイ人気質に言及しているのもおもしろい。
今度タイに行ったら、タイ人を誘って、バンコクのはずれまで路線バスで行ってみたくなった。バスが揺れたり急ブレーキをかけても、踏ん張れるような靴を履いて。
『タイ鉄道旅行』、『バンコクバス物語』と、乗り物から眺めるタイはとても楽しい。次はタイの乗り物の真骨頂である船の本が出るとよいな、と思う。