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Chicory Cafe

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ご愛読ありがとうございました

ご愛読ありがとうございました_c0161046_9561545.jpg

 「Chicory cafe」はこのあたりで店じまいしようかと思います。

 これまでどうもありがとうございました。

 日々駄文を載せていて、タイの田舎の地名や、タイの書籍や映画の名前で検索して

 ここを訪ねてくださる方が多少なりともいらしたのは、ひとつの喜びでした。

 書籍と映画に関しては、今後出会ったものをごくたまに書き足すかもしれません。
 
 それらをお探し中の、タイ好きの方の目にとまれば幸いです。

 
# by chicorycafe | 2013-12-31 00:00 | ◆つれづれ

『アジア熱』

『アジア熱』_c0161046_17164574.jpg



うーむ、参った!

アジア各地の湿気と空気がまとわりついてくるような文章です。

それでいて随所に、透明な輝きがあります。

いずれもさして長くない旅の間に、経験したり感じたりしたことが

しなやかに、細やかに、豊かに描かれていて、読み終えるのが惜しいくらいでした。


同時に、我が身の感受性の低下(急降下?)を、これでもかと見せつけられて愕然… 。

自分なりのレベルを維持していくために、浮かんできたのはこんなことです。


知らない土地に行ったり、初めての体験をしたり、ということを大切にする。

できることなら、たまには一人旅をする。

意識して、質の高い感性(文章など)に接する。

無味乾燥した表現に慣れないようにする(このブログも読まない方が良いな )。


  

本の内容も良かったし、今後の自分自身の指針にもなる貴重な1冊でした。

こういう本が読みたかったんだ! とページをめくる幸せをかみしめました。


ところで著者の中上紀さんは、中上健次氏のお嬢さんだそうです。

前に『彼女のプレンカ』というチェンライを舞台にした小説を読んだ時は

物語の内容と写真から、日本と東南アジアの血を引く作家と勝手に思ってましたが…。
# by chicorycafe | 2012-08-10 17:19 | ◆本 〜 アジア

南国に暮らす日本人の本 2冊

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『日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」』


表紙の写真を見るだけで、うら寂しい気持ちになるので

夫が読むのを遠巻きに見ていたのが、昨年秋の終わり。

ふと手に取ったら最後まで読んでしまった。

やはりどこまで読んでも、希望の光は見えず・・・。

かと言って「ダメな人」で終わらせるのもどうかと思い・・・。

結局言葉が出てこないけれど、ぐいぐい引き込まれたのは事実です。


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『「生き場」を探す日本人』


「申し訳ないが、サクセスストーリーはほとんどない」という

前書きの最後の一行に、早くもありゃりゃ。

でもこちらは、夫や自分を映しながら読める部分もあって、おもしろかった。

タイでのロングステイについて、意外だったことがある。

ビザの関係で働けないため、日本の元気な「オトシヨリ」は物足りずに

早くに帰国してしまうことが多いらしい、という事実。


自分たちにフィットするタイ滞在の模索は、まだまだ続くのでした。
# by chicorycafe | 2012-02-15 17:10 | ◆本 〜 アジア

『暁の寺のある町』

『暁の寺のある町』_c0161046_1774545.jpg



1975年から3年間、タイに滞在した外交官家族の本を見つけて読む(書き手は夫人)。

当時のバンコクといえば、まだ伊勢丹もなければ地下鉄やモノレールもなく

メイドさんは巻きスカートを身につけていたという。

時代的にも現在とかなりちがうけれど、日本人がタイ人に抱く感覚などは

今と大差ないところがおもしろい。


また、著者はバンコク赴任の数年前までは、パリに駐在していたというから

ヨーロッパ寄りの観点から見たタイは、さぞかし異質感いっぱいだったことと思う。

帰国してから、何もかもスピーディーな日本に戻ってきたと思ったら

実はタイの方がことが早く運ぶことが多かった、というくだりには、いたく同意した。


著者ファミリーよりちょっと遅れてバンコク入りした、産經新聞の近藤紘一記者による

『バンコクの妻と娘』をもう一度読みたい気分になる。

サイゴンからベトナム人の妻と娘を伴っての、バンコク駐在生活を描いたこの本は

かれこれ30年近く私のなかで、タイ関連書籍ナンバー1の座をゆずらない。


ありゃ、どっちの本について書いてるのか、わからなくなっちゃった。
# by chicorycafe | 2012-01-07 17:07 | ◆本 〜 タイ

『イサーンの旅』

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待ちあぐねていた本が、昨年暮れに出版された。

「何もない」といわれるイサーン(タイ東北部)に

どう200ページを割いたんだろう? と思っていたら

全体の半分以上を写真が占めていた。

イサーンの風景を一度にこんなにたくさん見たのは初めて。

著者が3年かけて取材して歩いたという

集中力が1冊に詰まっているように感じる。

ページをめくっていたら、自分のイサーン旅行の

いろいろな場面が思い出され、すぐにでも飛んで行きたくなってしまった


バンコクからイサーンに足を運んでいた頃、イサーンのガイドブックが欲しいと

常々思っていたので、この本が数年早く出ていたらなあ、と改めて思う。

定価2500円+税 ってことは、バンコクの紀伊国屋では4000円近いかな。


一読して、個人的には、クメール遺跡にはそこそこ行ったけど、

たくさん掲載されている現役のお寺の門をくぐったのは、ほんのわずかしか

なかったことに気づかされた。ちょっともったいなかった。

逆に、私があちこちで訪ねたり探したりした布についての言及はほとんどない。

また、鉄道の旅の記述も見あたらなかったような。

イサーンの食事の写真も、1ページにまとめられているだけ。


そんな内容の偏りに加え、必要な情報は網羅しながらもガイドブックにしては

緩慢で重量もあり、かといって紀行文ではなく、

どこか茫洋とした1冊、というのが正直なところかもしれない。

いつ始まっていつ終わったのかはっきりしない(そんなことは重要ではない)

タイの宴会のように「さりげない」造りこそが、タイらしいってことで


自称・イサーン好きの一員としてつい辛口になってしまったけど

画期的なイサーン本であることは事実ですとも、ええ。
# by chicorycafe | 2010-02-11 16:51 | ◆本 〜 タイ