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カテゴリ:◆本 〜 日本( 50 )

『サバイバル時代の海外旅行術』

c0161046_1173469.jpg 個人レベルでグローバルな視点を持って生き残らねばならないサバイバル時代を迎えるにあたり、海外に出て自分の目で世界を見よ、ということらしい。

 説得力のある数字や資料などを次々と示し、グイグイと読者を引っ張るような文面と内容は、バブルを味わった肉食系男子であり、かつてハイパー・メディア・クリエーターという肩書きをもっていた著者の世界そのものに思えた。

 ハード的にもソフト的にも万人向けの旅行術ではないかもしれないけれど、旅の達人からのアドバイスは概しておもしろかった。

 なかでも、日本で作られた旅行ガイドブックは使えない、という意見には共感の嵐。

 実際、タイとその近隣国での私の旅ですら『Lonery Planet』 と『National Geographic』なしには成り立たなかったのは間違いない。

 その背景については考えたこともなかったけれど、日本の旅行ガイドの質が低下した理由が明らかにされていて、なるほどー、と何度も唸った。

 そして紹介されている欧米の個性的なガイドブックの数々は、いかにもおもしろそうで、うらやましい限りだ(次に海外へ行く時には、ぜひ読んでみたい!)。

 そのほか、格安航空券や旅のスタイル、携帯や通信機器、旅道具まで著者独特の有益な情報がある。

 あとがきでは、ちょっぴり夫人の沢尻エリカさんに言及している。著者の旅に文句を言わずついて行く人だそうで、彼女のたくましいフランス人の血を感じて、妙に納得できた。
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by chicorycafe | 2009-09-18 01:15 | ◆本 〜 日本

『バカ丁寧化する日本語』

c0161046_16332991.jpg いやー、すごい。言葉の専門家ともなると「させていただく」という言い方について、50ページもの文章にしてしまうんだ、と感心した。

 この表現のほか「〜してもらっていいですか」「ご紹介してください」などの言い方、「ら抜き」「を入れ」「さ入れ」「御方様」などなど、最近よく耳にする日本語について解説されている。

 改めて、日本語ってむずかしい〜! と身につまされた。

 本の後半の、敬語やコミュニケーションについての考察も、とてもおもしろい。

 特に著者が教鞭をとる大学での、日本人学生の言動や、外国人学生のもつ日本人とはちがった視点などが印象に残った。


 日頃から感じるのだが、テレビで話されている言葉をモデルとする学生さんや若い人の言葉が、時代とともに変化していくのは無理からぬことと思う。

 また、若くなくても言葉に関心を持たない人にとっては、著者の分析に耐えるような正しい言葉を操るのもむずかしそうだ(私にもできません…)。

 敬語は間違ってるけど、話の内容は良い、とか、言葉使いはどこかおかしいけど、人間的に尊敬できる、など、正しい言葉使いがすべてではないのは言わずもがな。

 ただ、テレビなどで発言する機会をもつ、知性派とされる人々にはがんばってもらいたいと願うのだ。

 はやりの表現を吟味せずに取り入れたり、現時点での文法的に間違った言葉を平気で使うなどは、世の中に影響力のある人物として慎むべきことだと思うのだけれど。

 言葉が移り変わっていくのは自然なこととしても、無批判に流れに任せるのではなく、もう少し振り返ったり議論したりしながら、自分たちの日本語を大切にできたらいいな、と思う。
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by chicorycafe | 2009-09-15 17:24 | ◆本 〜 日本

サッカー本がおもしろい

 今日の親善試合の結果、オランダ 3 ー 0 日本。トルシエ時代の フランス 5 ー 0 日本 のように、その後チームが伸びると良いけれど…。

 2006年ドイツW杯での惨敗以降、日本サッカーを省みる本が続々と出ていておもしろい。

 以下の3冊は、それぞれのアプローチから日本サッカーに足りない部分を探った本。


c0161046_18361981.jpg 『テクニックはあるが、「サッカー」が下手な日本人』

 スペインの強豪クラブ・バルセロナで小学生を指導している著者が、日本ではサッカーの本質の捉え方に、ボタンの掛け違いがあるのではないか、と提言している。

 現インテル監督のモウリーニョが取り入れている「戦術的ピリオダイゼーション理論」を柱に、数学用語を用いた説明がされているが、趣旨はシンプルでわかりやすかった。

 そして、ごもっともです、という内容がいっぱい。

 スペインのサッカーを取り巻く環境は、知れば知るほど、これじゃ日本はかなわないよなー、という気分にさせられた。

 この本の収益の一部はユニセフに寄付されるらしく、バルサの人だなぁ、と思う。


c0161046_18363923.jpg 『マリーシア』

 ジーコが有名にした?「マリーシア」という言葉は、日本ではどうも正しく理解されていないらしい。

 マリーシアを持っている日本選手は誰か、と外国人選手などにインタビューすると、中田ヒデや中村俊輔の名前があがる、と読んで私も意外に思った。

 彼らはいわゆる汚いプレーはしないタイプの選手であることから、マリーシアとはずる賢いプレー、という意味だけでなく、的確に状況判断をしたうえでの賢いゲーム運びや駆け引き、のような意味合いもあるようだと著者が解明していく。

 どちらの意味でも、日本のサッカーにはマリーシアが足りないようだ。そしてマリーシアを持てば日本サッカーは強くなりそうだけれど、身につけるのはなかなかむずかしいらしい。

 著者の文章を読んでいると、どうしても兄貴分? の金子達仁の影がちらついてくるのが個人的におもしろかった。


c0161046_1837573.jpg 『「言語技術」が日本のサッカーを変える』

 サッカーでは自分の意思や意図を他人に伝える必要があるため、ふだんから「べつに」とか「ビミョー」などと言って済ませていてはいけないらしい。「KY」なんて論外なんだろうと思う。

 世界のサッカーと互角に勝負するためには、ピッチの内外で、自分の立場をわきまえ、論理的に考え判断し、きちんと表現する力が求められる、という信念を著者は持つにいたったようだ。

 そんな基本的な訓練がされていない日本チームの若者に限界を感じた著者が、いろいろな例をあげながら「言語技術」の重要性をわかりやすく解いている。




 以上3冊、いずれも興味深かったのは、サッカーという枠をはずしても、日本人を知る本として読めるという点だ。

 我が身に覚えがあることがたくさん書かれているので、素人目にもサッカー強豪国とは「ちがう」日本のサッカーが、決して人ごととは思えなくなってくる。

 テクニックとスピードは身につけた日本サッカー。体格的なものは仕方ないとして、今後サッカーというスポーツの本質にどこまで迫れるのだろうか。

 ここまで分析が進んだのだから、正しい取り組みで強くなっていってくれれば、と願う。

 くれぐれも、「勤勉に」ピントはずれなトレーニングが積まれたりしませんことを…(拝)
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by chicorycafe | 2009-09-05 23:47 | ◆本 〜 日本

『そろそろスローフード』

c0161046_20323258.jpg 昨日ブルーベリージャムを煮ているのも忘れ、没頭してしまった本。

 食にまつわる国内外の話は、実際ためになることがいっぱいで、とってもおもしろかった!

 ペーパーバックなので(値段が抑えられていて有り難い)、ラインマーカーで線を引きながら読んでしまう。

 一般に食の話は政治につながる、と本文中にもある通り、自分じゃ安全そうな食品を選ぶくらいしかできない、とちょっとがっかりすることが多い。

 でも本書には「国全体を思えば、暗澹たる気持ちになるけど、小さくなっていくほど希望はあるし、具体的な手立ても見える」とある。

 現実に全国の食の現場では、スローな取り組みがいろいろ行われているようで、うれしくなった。

 びっくりしたのは「アメリカが遺伝子組み換えに無頓着なのは、基本的に飼料として動物か日本人に食わせるからだっていう人もいるくらい(笑)」の一文。こりゃひどい。

 戦後アメリカが日本にもたらした食の弊害も含め、食の問題に事欠かないこの頃。でもポジティブに考えれば、日本の食を変えるチャンスなのかも、という気持になれる1冊だった。


 ところで、ジャムは失敗しちゃったけど、ブルーベリー酒はおいしくできあがった。

 家で作るとすっきりした味になるのは、お酒も食べものも同じらしい。自分の目で確かめ、自分で作って、おいしくて安全なものを口に入れていきたいな、と思う。
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by chicorycafe | 2009-09-02 22:22 | ◆本 〜 日本

『ビルマの竪琴』

c0161046_0392410.jpg 童話『北風と太陽』を思い浮かべた。

 戦争の凄惨さを書き連ねたり、声高に反戦が叫ばれるよりも、戦時中でも仲間を思いやり合った兵隊たちや寛容なビルマ人が描かれたり、一兵士の思いが淡々と書かれている方が、もう戦争を繰り返してはいけない、と素直に心に刻まれるのかもしれない。

 映画を観て、原作の反戦の温度を知りたくなって読んだ本書。想像以上に高温と感じたのは、戦後2年の作品なのだから当然だろうか。

 戦争、平和、人生への願いや思いは、まだ敗戦の生々しかったであろう時期に書かれたにもかかわらず、戦後60年以上経った今でも違和感なく受け取ることができ、感慨深い。

 また、映画では細かくとらえにくかった、主人公をはじめ、登場人物の気持、熱帯の自然や季節感、仏教徒としてのビルマ人のあり方なども伝わってきた。

 改めてレベルの高い児童文学だと感じるが、子どもの本としてしまうのはもったいない。またいつか読み返してみようと思う。

 
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by chicorycafe | 2009-08-08 00:24 | ◆本 〜 日本

『くさいはうまい』

c0161046_205015100.jpg 発酵仮面こと小泉武夫博士の語る発酵食品の数々。

 前半は、おなじみのそこそこくさい食品が紹介されていて、「うんうん、くさいけどおいしいよね」などと思いながら読み進み、食欲がわいてきた。

 ところが後半、これまで聞いたこともない世界中の強烈な発酵食品が並ぶのだが、どれも想像するだけで意識が遠のきそうなツワモノぞろい。

 うわぁー、私にはダメだー、と早々に降参した。

 研究のためとはいえ、それらに果敢に挑んで「強烈に臭いのですが、大変においしいのです」という著者のストライクゾーンの何と広いことか。

 もちろんそれだけでなく、世界の食べ物に関する深いうんちくを追うのがとても楽しい。

 巻末の中村雄二郎氏(哲学者)との対談では、消臭や抗菌ブームに警鐘を鳴らすなど、興味深い内容がもりだくさんだ。

 さて、夏は滋養たっぷり、先人の知恵の詰まった発酵食品を積極的にとっていこう。
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by chicorycafe | 2009-08-03 22:23 | ◆本 〜 日本

『サッカーボーイズ  再会のグラウンド』

c0161046_0151996.jpg 地元サッカーチームでプレーする、小学校6年生の少年の話。

 小学生の何倍もの年齢となってしまった今、彼らの世界に入って行けるかな・・・。

 しかも、サッカー観戦は好きでも、自分でプレーしたことないけど、ついていけるかな・・・。

 そんな心配はどこへやら、主人公の僚介にしっかり感情移入して、最初から最後まで楽しむことができたし、続編も読む気になっている。

 読後のさわやかさに味をしめたのか、今後は大人のための小説を読む合間に、優れた青春小説に触れていくのもいいな、とまで思ってしまった。

 また別の意味で、読みたいと強く願うのは、ブラジルのサッカー少年のお話。

 日本とはいろんな意味で土壌が違って、おもしろいだろうなぁ。誰か書いてくれないかなあ…。
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by chicorycafe | 2009-07-25 23:14 | ◆本 〜 日本

『ペンギン夫婦がつくった石垣島ラー油のはなし』

c0161046_16534159.jpg ちょっと前に著者の辺銀愛理(ぺんぎん あいり・なんと本名!)さんをテレビの中で見かけた。

 確か生放送で、番組進行上の都合に添う感じでご主人とともに控えめに振る舞っていたけれど、なにやらタダモノではない人の雰囲気が漂っていたのを覚えている。

 本書を読んでみたら、実際、良い意味でただならぬ夫妻だった!

 個人的に「石垣島ラー油」を口にしたことも、石垣島に行ったこともなく、沖縄に関心はあるもののフリークではなく、餃子とラー油はふつうに好き、という私でも、楽しく一気に読めたのは、ひとえに辺銀夫婦がユニークで魅力的だからにちがいない。

 特に石垣島に移住し、根をおろしていく過程はとても興味深く、ためにもなった。

 ところで、この夫婦が手塩にかけ、筋の通ったつくり方を貫いている「石垣島ラー油」とは、いったいどんな味わいなんだろう?

 そのおいしさはまだ知らないけど、本文の絶妙な締めくくりには思わず「うまいっ!」と声が出た。
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by chicorycafe | 2009-07-21 17:57 | ◆本 〜 日本

『砂漠で見つけた夢』

c0161046_23593985.jpg この本の存在を知った時、「あ、内田さんだー!」と声をあげてしまった。

 個人的に著者を知っているわけじゃない。ずーっと以前、NHKの美術番組に出演していた著者と、彼女の紹介する「アボリジナル・アート」が印象に残っていたためだ。

 その番組で、エレガントな大人の女性に見えた著者だが、著書のなかでは全然ちがったお顔をしていておもしろい。そしてとんでもなくバイタリティーのある女性だということがわかった。

 アボリジニについては、わかりやすく基礎知識とイメージを与えてもらえる。カジュアルに書かれたなかにも、日本人では著者しか経験していないことがいろいろあるようだ。


 著者のテレビ出演から数年後、メルボルンに行く機会があり、真っ先に当時著者の勤務していたギャラリーに向かった。

 あいにく著者は不在、そのうえ作品は目が飛び出るような価格がついていて、私の手が届くのは画集とポスターと絵はがきくらい。もちろん入手した。

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 単純なかたちに意味が込められているという独特の点描画は、プリントで眺めていても飽きないし、私にとっては身近においておきたいアートのひとつ。

 いつか小さな作品かレプリカを入手できることを夢見て、その世界をちょっと探ってみようかな、という気分になった。
 
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by chicorycafe | 2009-07-16 23:45 | ◆本 〜 日本

『日本サッカー偏差値52』

c0161046_23362289.jpg 著者の杉山氏の採点によると、日本のサッカーの偏差値は52だそうだ。

 ちなみに世界一の偏差値は、ブラジルの70となっている。

 「日本サッカーが停滞する理由」をいろいろな側面から、サッカー先進国の事情に照らし合わせ、著者の主観により解き明かされていて、おもしろかった。

 サッカーの本には主観的なものが多いと常々感じるが、それはさまざまな受け取り方のできるサッカーの宿命として、各書き手がそれぞれの持論を展開していて健全なのだと思う。


 もうひとつ、日本のサッカーに関する本に共通していると思うことに、その内容がサッカーだけにとどまらず、日本や日本人についてそっくりあてはまる、というのがある。

 大ざっぱに言ってしまうと、日本のサッカーは日本そのものなんだな、と感じるのだ。

 今後の日本も、日本サッカーも気になる身としては、本書のまえがきにあるように「マクロの視点をもって、鳥の目で俯瞰するクセを持ち続ける」ようになりたいなあと思う。
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by chicorycafe | 2009-07-08 23:52 | ◆本 〜 日本