タイに住んで、その存在を何となく知りつつも、あえて自分からはアプローチしなかった闇の部分。
そこが突如スポットライトで照らされたのを、しかと見てしまった気分は、ずっしりと重い。
タイには、日本じゃ考えられないようなメチャクチャなことがたくさんある。この映画の人身売買、少年少女売春や臓器売買は、その最たるものなのだろう。
舞台がタイであるだけで、実は日本人も多く加担しているわけなのだが。
タイや周辺国(特に農村部)が経済的に豊かになれば、多くの悲劇が防げるようになると思うと、「タイ人は貧しくてもハッピーに暮らせる天才」などと過去に言ったことを取り消したくなった。
映画としては、違和感を覚える部分が大小あったのは偽らざるところ。でも見終わった後から続く胸のずっしり感からいって、私にとっては見るべき映画だったのだと思う。
*ご参考までに、15日までの上映のようです。夏休みのためか、渋谷シネマライズの今日(11日・月曜)の昼間の上映でも、30分前にはほぼ最前席しか残っていませんでした。