ふだんほとんど観ないアクション映画だけれど、主演の俳優さんのかっこ良さにひかれてDVDを借りてみる。
この俳優さん(パワリット・モングコンビシット)の演じる、孤独で耳の不自由な殺し屋はなかなかよかった。
相手役のフォン(雨の意)も、清楚でなんともかわいらしい。
物語は、バンコクにいても縁のなかったダークな世界の話で、見慣れた、どこにでもありそうなバンコクの風景が新鮮に映った。
この作品の監督と主演俳優コンビの2作目『ONE TAKE ONLY』では、パワリット… が情けなーいチンピラを演じており、これもまたよかった。
相手役の女子大生娼婦役の女の子が極めてタイ人らしい容姿をしているところに、リアリティーを感じ、また好感がもてる。
両作品とも、映画としては若干物足りないような気もするけれど、バンコクの描かれ方という点では、かなりいい線いっているのではないだろうか。冬の寒い日などに、バンコク恋しさに観たりしたら、キュ〜ンとしそうだ。
両主演のパワリット… はインテリ家庭に育った大卒の俳優と知り、感心していたら、タイ在住の知人から、タイの俳優やタレントは大卒・英語堪能が当たり前、と聞かされた。
数ヶ月前に帰国して日本に違和感を覚えたことのひとつに、テレビ番組で、タレントにアホぶりをことさら強調させる、というのがある(昔からのことですが…)。
個人的には、俳優やタレントは演技やトークが上手なら学歴不問で良いと思うけれど、下降志向? を全面に押し出すのはどうだろう。日本の青年よ、大志を抱いてくれー、と悲痛な叫びをあげたくなるのだった。
国民ひとりあたりのGDPがシンガポールに抜かれた夏に。