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『バンコクの妻と娘』

c0161046_04739.jpg 過去に旅行者の綴ったタイに関する本はいろいろ読んできたが、駐在員の書いたものには縁がなかった。

 今回探してみたところ、以前読んだことのある『バンコクの妻と娘』(近藤紘一・著)しか見つからないので、まあいいかと10年ぶりくらいに再読してみた。しかし、読み始めると「まあいいか」なんて言っては申し訳ないほどおもしろかった。

 この家族の滞在は20年ほど前のことになり、バンコク駐在の古き良き、そして優雅な時代が背景になっているといえるだろう。選ばれた人のみが派遣され、BTS(市内を走るモノレール)も地下鉄もなく、デパートやスーパーもなく、Eメールもなく、円の力もまだ弱かった時代。租界、特派員、熱病、などという言葉が遠い日の異国を思わせる。

 そんなバンコクを回想しながら、この家族の住んでいたソイ・トンソン(トンソン通り)を歩いてみたが、当時のアパート「チャニット・コート」はもう姿を消していた。地図には載っていたので、最近壊されたのかもしれず、残念このうえない。

 この通りには、古い建物はもうほとんどないが、緑と一軒家が多く、どことなく古くからの住宅街の空気が残されている。大通りから少し入ったところにある松の木や、悪臭を放つ運河というかドブ川などは当時と変わらないだろう。今のところ、私の知るなかでは、バンコクで一番趣のある通りかもしれない。 
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by chicorycafe | 2005-08-11 20:01 | ◆本 〜 タイ