バンビエンからのバスの旅を終え、ビエンチャンのホテルを探す。満室と断られ続け、ええい、もうノンカイまで行ってしまえ、という気分になった。
そうと決まれば話は早い。トゥクトゥクのお兄さんと値段交渉をして、友好橋へ。市内から30〜40分の道のりだが、以前より道がずいぶんきれいになったと感じた。
ラオス側のイミグレには立派な免税店が2軒並んでいたが、スーツケースがかさばるうえに空腹なので、素通りする。
あっという間に出国審査を終え、メコン川を渡るバスに乗り込んだ。
天気の良い今日は、川も空もきれい〜。
向かって左がラオス、右がタイ。毎度のことながら、ラオス側は建物より断然緑が多い。
橋を渡り終えたあたりで、平行に走っている線路に気付く。
現在はバンコクからノンカイまで運行している列車が、いつの日かビエンチャンやさらにバンビエンやルアンパバンまで走る日が来るんだろうか。そうしたら・・・
・・・などという妄想は一瞬のうちにかき消された。タイ側のイミグレに、黒山の人だかりが! 外国人用の2つの窓口に、旅行者7割、地元のラオス人2割、その他の東洋人1割くらいの割合で、長ーい行列ができている。
タイ人用の窓口は、どんどん流れるが、こちらは遅々として進まない。容赦なく西陽が照りつけるなか、空腹をかかえ、荷物をひきずりながらウンザリしている間にも、頻繁にバスが到着して、行列は伸びていった。
前に並んでいるおかまちゃんは、汗でメイクが流れてひどい顔をしている。私の顔もさぞきたなかったことだろう。ヤードム(ミントの香りの嗅ぎ薬)でリフレッシュをはかりながら、なんとか1時間強の待ち時間を終えた。
想定外の忍耐を伴うタイ入国。こうなると、自称国境マニア? の私も、越境を楽しむ気にもなれず、とにかく早くホテルで荷を降ろし、何かお腹に入れたいのが先に立つ。
ホテルへ向かうトゥクトゥクは、ここ数日見なかった清潔さで、ピカピカに磨かれていた。運転手にあからさまな外国人価格をふっかけられることもない。ホームに戻ってきた、と感じる瞬間だった。