チェンライ空港から北々西へ車で1時間、バーン・トゥード・タイという村へ。
ここは・・・
◇ ゴールデン・トライアングルの真ん中に位置し、その昔はケシの栽培がされていた(現在は茶畑になっている)。
◇ 麻薬王といわれるクン・サーが、かつて本部をおいていた。
◇ 村人の8割はシャン族(ミャンマーのシャン州より)、ほかヤオ族(中国・湖南、雲南省より)、アカ、リス、モン族などの山岳民族の人々で構成されている。
◇ 村人には減ってきてはいるものの、タイの国籍を持たない人もいる。
などの背景を持つ村であるという。
難民キャンプではなく、元難民が集まって作られた村なので、その場しのぎではない家が建ち並び、学校や病院もある落ち着いた村だ。人口は3千人強。
学生時代の友人・Kさんに誘ってもらい、私もこの村へ同行した。宿泊したのは、Kさんの知人の方が所有するゲストハウス。
川べりに立つ、雰囲気のよいコテージだ。
元難民の子どもや、親のいない子どもが数人ここで働いたり、経営者の養子となって暮らしていた。
村を歩く人は、私の見慣れているタイ人顔の人はほとんどおらず、中国系の顔立ちをした人が多い。いでたちも、寒い気候のせいもあり、セーター、コート、帽子などを身につけている。
ここがいわゆるタイとはちがうことは、人々の姿だけでなく、言葉、食材、食事、売られている商品、学校のシステム、など生活のあらゆる場面で伝わってきた。
なかでも驚いたのがこれ。
見晴らしのよい丘の上に建てられた仏像の下方にマニ車。
さらにその下の公園には、タルチョのような旗までなびく。
マニ車にタルチョといえば、私のなかではチベット。それらが雲南省からミャンマーを経由して、はるばるタイにまでやってきたのだからすごい。
思わず五体投地でお参りしそうになった。
バンコク在住の私にとって、この村はパスポートのいらない外国旅行のようだった。