1973年生まれの、タイ人アーティストの書いたエッセイ集。
中学卒業までバンコクで過ごし、その後はニューヨークで留学生活を送っていたという著者らしく、タイ人と西洋人の視点をもち、そのうえかなりの日本びいきなので、取り付きやすく、読みやすい。
といっても、教養と感性のレベルがとても高いので、共感するというよりは刺激を与えられる感じで、楽しい読書となった。
コテコテのタイ人ではないけれど、ところどころでタイ人の行動や感覚が説明されていたり、数年前(私の滞在中)のバンコクでのできごとが書かれていたりするのも、親しみやすさがアップする。そして何より、全体的に稚拙さがないのが良い。
また、昨日の『地球で最後のふたり』の脚本を書いたのも、この著者。プラープダー・ユンという名前らしい。お気に入りのアーティストとなった。