タイトルの響きのせいか「タイ王国紀行エッセイ集」として出版されていたことに、全然気づかなかった1冊。
2002年から2005年までの間に、タイの日本語新聞とフリーペーパーに掲載されたエッセイがまとめられている。
これは、バンコクで読むべきだったなぁ…。
本文にタイ語やタイの地名などが当然のように出てくるので、これからタイへ行きたい人向きではないし、帰国後1年過ぎた私には、文章の温度がちょっと高い。
旅情をかきたてられるというのとも、ちょっとちがう。
あるいは、しばらくタイに行かずにいて、いよいよタイが懐かしくなった頃に開くと、胸に染み込んでくるのかもしれない。
痛いところをつかれたのは、ハジャイを初めとする南部が予想外によかったという点。
残念ながら私も南部に行きたいと思ったころには、小さなテロが頻発していて、リスク覚悟で行くべき場所になっていた。
タイトルの「ウィエン・ラコール・ホテル」とは、北部のランパーンにあるとても居心地のよいホテルだそうで、少々ひかれている。
イサーンの章で紹介されているホテルは、ほとんど私にも馴染みのあるところだった。